中期計画に対する取組 331
6-3 財務内容の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置
6-3-1 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標を達成するための措置
(機構共通)
① 本機構の研究成果等研究活動の広報普及に努めるとともに,寄付及び受託研究等の受入れ手続きの簡素合理化を 図るなど,受入れ体制を整備する。
各機関では,研究者を対象とした講演会を実施した。また,機構本部や文部科学省では,適宜記者発表を行うなど, 積極的に研究成果等を公表している。各省庁の補助金事業の情報の収集,民間の研究助成財団の情報の集約を行うと ともに,各機関では,科学研究費補助金の説明会を実施した。分子科学研究所では,外部資金公募に関する情報を広 報委員会及び事務センター国際協力研究課から研究者全員に電子メールで周知と勧誘を図っている。
② 特許等の取得手続きの組織体制を整備するとともに,知的財産に関する講習会の開催などにより,組織全体とし ての意識向上を図る。
本機構では,知的財産委員会規程を制定し,機構に知的財産委員会,各機関に知的財産委員会等を設置した。知的 財産及び利益相反に関する制度を整備し,講習会等の教育活動を行った。
分子科学研究所知的財産委員会では,ほぼ毎月特許申請の審査を行っている。利益相反委員会では「利益相反セミ ナー」などを複数回開催して,研究成果が正当に活用されるように啓発を図っている。
6-3-2 経費の抑制に関する目標を達成するための措置
(機構共通)
① 必要に応じ定型業務等の外部委託を行う等,管理業務の合理化を図るとともに,効率的な機構運営を行うこと等 により,経費の節減に努める。
本機構では,TV会議システムを活用し,職員旅費等を節約した。法人化に伴う事務取扱を検討し,競争性を確保し た上で契約事務の簡素・合理化を図った。給与計算業務の機構本部での一元化に取り組んだ。支払業務を一元化する ことにより,振込手数料の節減を図った。また,管理業務の重点化を図るため,共同研究者宿泊施設貸し出し等の窓 口業務を集約した。
分子科学研究所では,活発な人事流動による高齢化の抑制,管理職手当 2% 削減など,人件費抑制を行っている。ま た,所長は事務センター財務課の協力を得て,研究費の執行状況を定期的に把握し,適切な執行を促すとともに,年 度末に近くなった時点で,配分予算の見直しを行っている。
② 事務手続きの簡素化・迅速化,省エネルギー化等を推進することにより,経費の抑制に努める。
本機構では,財務会計システムを導入し,発生源入力,残高のネットワークによる確認など,事務手続きに関する 省力化を図った。電気料金の契約の見直しを行い,経費の節約を行った。各棟の電気,水道の使用量を把握できる体 制の整備を検討した。
6-3-3 資産の運用管理の改善に関する目標を達成するための措置
(機構共通)
① 本機構の機能に資産の運用管理を所掌する部署を設置し,資産の運用及びリスク管理等を外部の専門家の意見も
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聞きながら実施できる体制の整備を図る。
本機構では,財務改善担当理事を設置するとともに,新日本監査法人と契約し,外部資金の獲得・運用,資産運用 等について具体的な検討を開始した。
② 資産の適正な運用管理を図るため,その管理状況について定期的に点検し,必要に応じて見直しを行う。 本機構では,財務会計システムにより,動産・不動産データを一元的に管理することにより,適正な資産管理を行っ ている。調達物品(500万円以上)の実地での納品検収に加えて,現有の有形資産の実地での管理状況検査を実施し, 適否を確認する体制を整備した。本部事務局及び各機関の事務組織における業務執行状況について,内部監査を実施 し,資産の管理状況についても点検した。